石を拾う人たち

先日、小田井へ出かける用事があり、その帰り道、喜惣治大橋を渡ってすぐの田んぼで妙にデカイ(体長5センチ弱くらい)のカブトエビを見つけた。これだけ大きいとやや嫌悪感を覚える。手のひらの上で、エラがもぞもぞ動くのが気色悪い。以前、蒲郡竹島弁天で見つけた巨大なフナムシのことを思い出した。あれも気持ち悪かった。
そのまま国道41号まで直進し、交差点の角のところの田んぼで、大量のホウネンエビが湧いているのを見る。…多分、数千匹。どこぞの地方でやはり大量発生したとのニュース記事を読んだが、こんだけウジャウジャいるとやっぱり気持ちが悪い。
中途半端に時間が余ったので、庄内川沿いを遡って、神領方面へ出かける。
いつものように竜泉寺堰を見に行く。最近は釣り人も少なくなったようで、葦が茂りっぱなしで川縁へ降りるのも一苦労。以前は岸から水面を覘けばすぐさま魚影を確認できたが、今はもうからっきし。10年前に堰で確認できた生物は、カマツカ、コイ、フナ、モロコ、ヨシノボリ、ナマズ、シマドジョウ、オイカワ、ニゴイ、モクズガニスジエビ、アカミミガメ。さて、今はどうだろうか。
更に上流へ向かい、吉根橋のやや下流、川辺へ降りれそうな道を見つけたので行ってみると、対岸の川原にオッサンが二人いて、なにやら石を拾っては何かを調べている。それを見ていて思い出したのだが、確か庄内川の川原では、「土岐石」という珍しい石が拾える事があるというのだ。これは珪化木の一種で、大変美しいものであるらしいが、実物を見たことが無いので良く分からない。
で、今回の散策の主目的は、地蔵川の上流部の様子を見ることだった。というのは、地蔵川の水源は金ヶ口池という溜池なのだが、以前、その流出口付近でウグイの群れを見た覚えがある。
…んだけれど、どうしてこの場所にウグイが居たのか、それが分からない。新川から地蔵川を溯上してきたか、庄内川から内津川を遡り、用水路を抜けてきたか、どちらにしても相当無理がある。特殊な生態を持つ個体群であったのか、単なる見間違いであったのか、それをいつか確認したいと思ってようやくその気になったのだけれど、10匹位のカメが泳いでいるのを見ただけだった。水の状態も随分悪く、地蔵川上流部は、川床が酸化鉄で赤く染まっている。この辺りの地下水はもともと鉄分が多いのだが。日記なのに余談ではあるが、金ヶ口という地名自体、この地で製鉄が行われていた事を示すものであるらしい。
そして今回もう一つの目的は、カワニナ探しだったのだが、さてはて春日井にカワニナは生息していただろうか。以前、どこかで採集して飼育した記憶はあるが、どこで採ったのやらまるで覚えていない。
カワニナと言えば蛍の幼虫の餌として有名。春日井にも蛍は生息していたが、確認した事があるのはヒメボタルだけだ。これは陸生で、餌もキセルガイ等の陸生の巻貝なのだが、私の見た場所ではヒメボタルは既に絶えてしまったようだ。
某番組で鮎の産卵をとらえた浅瀬は、冒頭に書いた喜惣治大橋近くだったと思う。この場所で地蔵川と大山川という二つの河川が合流し、新川へと注ぐのだが、この場所で産卵を行う鮎はそもそもどこから来たのだろうか。
候補として、どうも地蔵川は望みが薄い。となると大山川だが、こちらは面白そうだ。近い内に散策に行きたいと思うのだけど、とりあえずガサガサ用に手網と防水仕様のデジカメが欲しい。どうすっかなぁ。
地元も急速に宅地化が進んでいるが、畑地や水田、用水路のような都市生活に隣接する場所の(準)自然や生態系などはロクに注目もされずに消え去ってゆくけれど、少しでも記録しておきたい。八田川のタンスイカイメンの生息分布とかも調べたい。
自然に癒しを求めて逆に鬱を深めてしまった今日はそんな一日。